食べ放題

菜緒が帰宅するなり、捲し立てる。

『食べ放題、サイコー!』

聞けば、本日、バレー部の打ち上げで『牛角』に行ってきたらしい。我が家でも、たまに行くが、今まで一度も食べ放題にしたことはない。菜緒にとっては初の食べ放題だったわけだが、3000円で15皿以上食べたらしい。

『もう先輩が凄くて、ご飯も中盛り頼んだのに、タン、カルビ、カルビ、蜂蜜黒胡椒豚バラ、タン、蜂蜜黒胡椒豚バラ、バターコーン、バターポテト、カルビ、カルビ、タン、豚バラ…ってもう凄いの!菜緒もついつい一緒になって食べてたら、15皿以上になってた。凄くない?超お得だよね。やぁ〜、やっぱり焼き肉は食べ放題だわ』

まだまだ子どもだと思っていた菜緒も中学3年生。育ち盛り、食べ盛り。話しを聞いていて、食べ放題ではなく、個別注文にしていたことに恐怖を覚えた幹夫。

『もう、我が家も次回以降は食べ放題にしよう』

と心に刻む。

食べ放題は90分らしいが、ひたすら食べ続けた90分がよほど衝撃だったらしく、菜緒の語りは止まらない。こうなった菜緒は、とことんまで喋らせないと拗ねるため、延々と続く焼き肉談義をひたすら聞く幹夫。

途中でなつと莉菜がバスケの練習から帰ってきて話しに合流。話しを聞いているうちに、なつが

『いいなぁ、明日焼き肉食べたーい』

と言い出す。

『いやいや、菜緒は今日これだけ焼き肉食べたんだから、当分はいいでしょ』

と幹夫。

『えー、食べたい、食べたい、焼き肉食べたい。最近外食してない!』

と不満をぶちまけるなつ。ただ、あまり焼き肉モードにならない幹夫と莉菜でなだめる。

そこに菜緒が余計なことを言う。

『いま、先輩からLINEが来たんだけど、一人当たり4000円以上得したらしいよ』

余計なこと言うな、っつうの。ただ、明日、なつと菜緒は映画『すずめの戸締まり』を観に行き、その後にすずめの戸締まりカフェに行く予定らしい。

『じゃあ、いいじゃん!』

となつの焼き肉熱を下げに行く幹夫と莉菜。

でも、思えば、確かに中学生の頃に焼き肉食べ放題っていうフレーズに惹かれた記憶がある幹夫。菜緒もその年頃になったか、としみじみ思う今日この頃である。

おそらく来月早々には、牛角に行って食べ放題を注文している幹夫、なつ、菜緒、莉菜の姿が思い浮かぶ。焼き肉パワー恐るべし。

 

オプション取引の方は、相場がレンジになってしまい、身動きが取れない状況。ここから揉み合って一段高になるとかなり苦しくなる。

下落してくるのは間違いない、と予測している幹夫だが、それがいつ来るか。2週間以内くらいに来てくれないだろうか。

それにしても、現在のポジショニングは、どこで失敗したのか。大きく下落した後の反転上昇の動きに素直についていけなかったのだが、これはいつものこと。上昇でやられる時は、大体このパターン。

特に今回は限月が先のものだったので、素直に損切りしてファーアウトで良かったのかも。ちょっとそこら辺を分析してみようと思う幹夫であった。