ブザービート - 小説『おくりびと』

本日は、朝から莉菜の何とかリーグの試合ということで、朝からなつと莉菜は外出。菜緒も朝早くからどこかへ外出しており、家には幹夫ひとり。

その幹夫だが、どうやら朝から体調がすぐれない様子。ずっとソファの上で寝そべっており、動けない。１月限のＳＱが終わり、脱力感でいっぱい。あー、疲れたなぁ、とゴロゴロしていると、先になつが帰ってきた。

『莉菜、試合勝ったよ！ブザービートで劇的な逆転劇。もう感動しちゃって、涙ぐむお母さんもいて大変よ。誰もが負けたと思った瞬間にキャプテンの子がさ、スリーポイントシュートを決めて…』

部屋に入ってくるなら、捲し立ている。まだ、興奮している様子が肌で伝わる感じ。

『ふーん。凄いね。スラムダンクの世界じゃん。ママでその調子だと、莉菜はかなり興奮して帰ってくるねー』

幹夫は、ようやくソファから起き上がって、空模様をチェック。

『雨かぁ。んー、でも家でゴロゴロしていても仕方ない。カレーでも食べに行くか』

ということで身支度を整え始めた。

しかし、改めて昨日のＳＱ日。予想通りＳＱ後に急落。そこで残っていた日経先物ミニを決済したわけだが、その後もナイトセッションで続落。もう少し待っていれば良かったなぁ、と反省。

ナイトセッションに入ってポジションを組み立て始めたものの、出来上がったポジションを眺めながら、どうもしっくりきていない様子。

『うーん、買い玉の値幅が確保出来ているのはいいけど、売り玉の間の値幅が狭いな。買い玉までの値幅も近い。目線は下だしなぁ。ここから２０００円下落することもありうるよな…』

なんか自分のポジションに納得がいっていない幹夫は、しばしチャートと睨めっこした後に、期先の３月限のプレミアム価格をチェックしにいく。なるほど、なるほと…ブツブツ呟いている。

ここで幹夫が動く。２月限の玉をコール・プットともにまとめてしまい、期先に飛ばす玉操作を行う。下落に備えた玉操作だ。これでひとまず、下落を待ち構える。これで、しばらく様子見。

雨の中、カレーを食べに行く幹夫。スパイスパワーを注入して２月限に臨む。

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