新年会

本日、なつはちょっと遅めの新年会らしい。

実はなつ、次女莉菜の通っているバスケットボールクラブの役員をやっており、任期の一年がもうすぐ終わるそう。最初はイヤだ、イヤだと言っていたが、最近はどっぷり浸かっており、家の中でも莉菜と二人でバスケ談義に華を咲かせている。

一方で幹夫の方は、コロナ禍のせいでここ3年近く、職場の忘年会、新年会が開催されず、やや不満げ。最近、飲みに行ったと言えば、年末に仲の良い同期と新宿で飲みに行ったきり。しかも、その時も、5人予定がコロナ感染で2人来れなくなり、3人で飲むことなってしまったし…

 

『今日、どこでやんの?』

『えっとー、駅の向こうのナントカ山っていうお店。あれ、山ナントカだったかなぁ』

 

相変わらず、適当ななつ。旅行先やどこかお店行く場合も絶対に人についてくのが彼女の常。間違ってもGoogle Map片手に人を先導するタイプではない。

 

『あー、いいなぁ。俺も刺身とか串揚げとか、そういった居酒屋系のメニューを久しぶりに食べたーい』

『じゃあ、バスケの役員やれば〜?そうしたら、定期的にあるよー』

『嫌だぁ。俺はバスケじゃなくて、サッカー派だし。まぁ、スラムダンクは読破したけど』

 

そう、幹夫は、小中高大と16年間もサッカーをやっていたのだ。男の子だったら(いや、今は女の子でも)サッカーやらせたのに…そして一緒にボール蹴り出来たのに…と少々残念そう。

 

『じゃあ、行ってきまーす』

『行ってらっしゃーい。気をつけて』

 

今日はエライ冷え込みようだけど、近いし、大丈夫だろう。

ということで、家で一人晩酌をすることになった幹夫。今週の振り返りと来週の見通しをつけながら投資戦略を検討することにした。どうやら、ここのところ相場の動きが、思惑と異なっているらしい。

 

『うーん、2月限は厳しいなぁ。上昇トレンドに入られちゃうと、もう勝ち目はないな。上昇が続くようなら、いったん立て直すか。あとは選択だな。一つは、2月限をトントンで凌いで、3月限になだれ込むパターンと、もう一つは、2月限で大きく損切って、3月限でしっかりした利益を狙いにいくパターン。これは悩む、本当に悩む。オプション取引は上か下かに加えて、いつか、が加わるからなぁ。来週も相場が動くとしたら後半だと思うんだよなぁ』

 

1月限では過去最高益を挙げた幹夫だが、どうやら2月限は苦戦しているらしい。そりゃそうだ。毎月毎月300万円も稼げたらプロだ。今の資金力では、まだその水準は無理。安定的にその金額を稼ぐのはもう少し先になる。“急いては事を仕損じる”という諺もある通り、焦ったら負け。

わかっている。わかっちゃいるが…